こんにちは!ドギーです!
食品業界ということで食べ物から飲み物まで幅広い業界ですが、今回は市場規模が大きい加工食品業界に絞って解説していきます。
また余力があれば飲料業界や食材、農業などまで広く書いていこうと思います…が、いったん今回は加工食品業界に絞ってやっていきましょう!
加工食品業界の特徴や成り立ち、市場規模について
では早速加工食品業界の特徴や成り立ち、市場規模について解説していきます。
加工食品業界の代表的な商品と行う仕事
今回は食品業界の中でも加工食品に焦点を当てて解説します。
しかし、一言で加工食品といってもたくさんの種類があります。代表的なものは以下のようなものです。
・加工食品
・調味料
・冷凍食品
・カップ麺(即席麺)
・パン類
・お菓子類
このようにいくつかの種類に分かれている加工食品業界ですが、その仕事はもちろん加工食品を作ることです。
例えば、業界大手の味の素であれば「Cook Doシリーズ」や「アミノバイタル」など幅広い加工食品を作っています。
そのように実際に作る製造分野の仕事や作ったものを売る営業の仕事などメーカーの仕事と言われるもの全般が対象です。
メーカーの仕事は以下の記事を参照↓
加工食品業界の歴史について紹介
どういう業界なのかを理解しやすくするため、ここではその歴史について紹介します。
ここはコラム的な内容なので市場規模からとっとと見たい人は以下をクリックしてください!
そもそも日本人が食品を加工し始めたのは縄文時代に焼いたり乾燥させたりというところから始まりました。
しかし、そんなに大昔の話をされてもイメージがつかないし、ここでの加工食品という部類から離れてしまいます。
ですから今回は現在のようないわゆる加工食品ができた経緯について紹介します。
早速ですが、現在のような加工食品が開発され、一般的になったのは明治時代と言われています。
当時の日本人は洋食へのあこがれがあったり、明治政府の殖産興業の1つの取り組みとして食品業界の発展に力を入れたりということから加工食品の開発が始まりました。
民間でも新たな食文化を生み出す企業が多く出現し、食にまつわるイノベーションが盛んに行われました。
明治時代が加工食品のキーとなっていることは分かりました。
では具体的な商品や企業にはどういったものがあるのでしょうか。
まずはすぐに食べられる加工食品の定番で、保存食としても優秀な缶詰です。
これは官民が力を入れ海外の技術を取り入れ、明治10(1877)年に北海道開拓使石狩缶詰所が誕生、そこから全国に広がりました。
常温でも長期保存ができることから軍需で大きく発展しました。
当時の日本人にとってパンは変な食べ物として見られていたためあまり売れていませんでした。
しかし、明治2(1869)年に文英堂(現在の木村屋總本店)が開業、5年後にあんぱんを発売したところ大人気となりました。
その後、ジャムパンを発売、中村屋も世界で初めてのクリームパンを発売しそれぞれ人気になりました。
そのように菓子パンとして人気が出たのが始まりでしたが、明治後半に米の凶作で主食としても用いられるようになりました。
「うま味調味料」として活躍する、なんでもうまくなってしまう調味料、味の素。
このルーツも明治時代にあります。
当時東大にいた池田菊苗博士がだし昆布に含まれる味の成分「グルタミン酸」を発見し、「うま味」と名付けました。
その後鈴木製薬所(現在の味の素)が池田博士と協力し「グルタミン酸」を原料とした調味料「味の素」を発売、生産や販売に苦労しましたが家庭に徐々に普及していきました。
ちなみに製法は特許を取り、池田博士は特許庁による「十大発明家」の1人にもなっています。
時代は昭和になりますが、即席麵についても忘れてはいけません。
現在の日清食品を創業した安藤百福(あんどうももふく)は日本人がラーメン好きであることから「お湯があればすぐ食べられるラーメン」の研究をしました。
かなり大変な研究でしたが安藤の妻が天ぷらを揚げているところから麺を揚げることを思いつき、実際にやってみたら想定通りのものができました。
そして昭和33(1958)年、世界で初めてのインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売されました。
その後、海外にはどんぶりの文化がないことを目の当たりにし、コップとフォークで食べられるラーメン「カップヌードル」を発売しました。
出典:日清HP
加工食品業界の市場規模について
加工食品業界は今、とても大きな岐路に立たされている業界でしょう。
(現在の経済状況ではどの業界も同じかもしれませんが…)
実際の数字や経済状況を解説します。
現状の加工食品業界の国内市場規模は約10兆5,141億円となっています。
(業界地図よりインテージ(食品SRIデータ))
市場規模だけを見るとやはり食品業界ですのでかなりの大きさがあります。しかし、ここ最近の市場の動きは雲行きが怪しいです。
それは物価の高騰です。
2022年現在、ロシアによるウクライナ侵攻や歴史的な円安によって原材料費の高騰が加速しています。
今年は値上げが相次いでおり、メディアでは「値上げの秋」などと言っているところもありました。
ただでさえ値上げに抵抗がある日本人ですので原材料費の高騰はメーカーにとってかなり難しい選択を迫られます。
そこに追い打ちをかけるのはスーパーなどによるPB(プライベートブランド)です。
セブンプレミアムやトップバリューなどPBはメーカーより安価なことが売りですが、こんな状況でも値段の据え置きを発表しています。
こうした状況なのでメーカーの商品をどのように売っていくかが問われています。
とはいえ、徐々にコロナも落ち着いてきたことから業務用(外食)の需要は回復傾向にあります。
個人に対して、企業に対して、どのように事業を進めていくかが今後の分かれ道です。
加工食品業界の具体的な会社マップ
これまで加工食品業界の特徴や成り立ち、市場の動向について解説してきました。
ここからはさらに具体的にイメージしやすくするため、加工食品業界のカオスマップを作っていきます。
どの企業も名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?
売上高が1兆円を超える会社や従業員数が1万人を超える大企業がたくさんあります。
加工食品業界の中でもそれぞれのジャンルに絞って紹介しているので規模間などは比較的イメージしやすいかと思います。
調味料やカップ麺などが規模は大きい
このカオスマップを参考にすると、やはり普段過程で使われるような調味料の会社は売上高が大きいです。
近年、調味料の幅も広がり「Cook Doシリーズ」などは材料に入れるだけで簡単に料理が完成する優れものです。
また、お湯を注ぐだけでよい簡単なカップ麺も規模は大きいです。
私もよくお昼ごはんなど時間がないときに食べています。
お菓子やパンは今後の展開が気になり、冷凍食品は未来が明るそう
そして、お菓子やパンについては物価の高騰が直接響いてくるところです。
特にパンについては小麦粉の価格はかつてないほど上昇しています。
値段を上げざるを得ない状況になるかと思いますが、その時にどういう対応をするのかが焦点となります。
また、冷凍食品については新たな冷凍の技術が開発されたり、コロナによる巣ごもり需要などで成長の兆しがあります。
先日ガイアの夜明けで冷凍食品特集がありました。
冷凍技術で前代未聞のデパ地下グルメ!高級寿司店が「冷凍にぎり」参入も:ガイアの夜明け
私自身もテレワークの日などは半分は冷凍食品に頼っています。
最近の冷凍食品はバラエティー豊富で味もおいしいのでついつい色々食べてしまいます。
食品業界の平均年収と採用状況
ここまで加工食品業界を中心に食品業界について紹介してきました。
最後に食品業界の平均年収について紹介します。
業界内の平均年収
ずばり、食品業界の平均年収は439万円となっています。
この数字を聞いてどう感じたでしょうか?
かなり一般的な数字だと思います。
もちろん業界内でも平均年収に倍以上差がある企業もあります。
例えば本記事でも紹介した以下のような企業です。
・味の素:1046万円
・カルビー:796万円
・明治:763万円
とはいえ、どの企業を見てみても初任給は大体21~24万円くらいとなっています。
自分が好きな商品を扱っているか、規模は大きい小さいどちらがいいか、という部分をしっかり考えて自分の望み通りの企業を目指しましょう。