こんにちは!ドギーです!
今回はIT業界の中でもど真ん中のソフトウェア業界について解説していきます。
この記事ではソフトウェア業界を、システムの受託開発(SIer)と自社ソフトの販売(ソフトベンダ)というビジネスモデルで大きく2つに分けて解説していきます。
筆者自身、このソフトウェア業界を代表するSIer(後述)という業界で働いています。
最後まで読むことでより業界の理解を深めていっていただければと思います!
ソフトウェア業界の特徴
冒頭でも説明しましたが、ソフトウェア業界はビジネスモデルによって大きく2つに分けられます。
ここではそれぞれがどういうことをしていて、その規模はどれくらいなのかなどを解説します。
ソフトウェア業界の概要~SIerとソフトベンダ~
見出しにもある通り、ソフトウェア業界を分けるとSIerとソフトベンダの大きく2つに分けられます。
それぞれの違いは販売する自社製品をもっているか、毎回専用のソフトを作るかどうかの違いです。
それではよくわからないと思うので以下にそれぞれの特徴をまとめます。
発注者から依頼を受けてその都度システムを開発します。
代表的な企業は富士通やNTTデータ、外資だとIBMやアクセンチュアなどがあります。
発注者から仕事を受注する必要があるので、案件が取れなければ事業はなりたちません。
また、毎回顧客の要件を聞いてシステムを作っていく労働集約型のビジネスモデルでもあります。
自社で製品を持っており、それを顧客に販売します。
代表的な企業はマネーフォワードやフリー、外資だとマイクロソフトやアドビなどです。
WordやExcelなどは自社製品(マイクロソフト社)の代表で比較的イメージしやすいでしょう。
SIerとは対照的で自分の製品をアップデートしたり、新しいシステムを開発し、顧客がそれを購入するという分かりやすいビジネスモデルです。
ただし、顧客の要望に合わせて作るSIerとは違い、そのシステムが顧客の求めているものに合うかどうかは分かりません。
ソフトウェア業界の簡単な歴史
この章は息抜きコーナーです笑
就活や転職活動で忙しいあなたに向けて、ちょっとした雑学を紹介します。
ソフトウェア業界はいわゆるIT業界の走りです。
以下ではSIerとソフトベンダーができるまでを解説します。
コンピュータの始まりは諸説あります。
人によってこれが始まりだ、というポイントが違うんですね。笑
そのため、ここでは比較的多くの人が始まりだと言っている部分をかいつまんで紹介します。
あくまでも筆者独自の意見であることを念頭においてください…笑
(ここの話はある視点では正、別視点では誤となることがあります)
ソフトウェアとはコンピュータで動かすものです。
つまり、ソフトを使うためにはハード(コンピュータそのもの)が必要です。
そのハードの始まりは計算機です。1920年代にIBMからお店の売上などを集計するための電子計算機が販売され、世の中に広まりました。
それから1960年代になると、同じくIBMから「System/360」というコンピュータが販売され、それまでは目的ごとに分かれていたコンピュータを一括で操作できるようになりました。
これがいわゆる現在のPCの原型的なもので、それから徐々に小型化されていき、一般大衆にまで広がっていったのです。
コンピュータができたとしても、それでなにができるのかが重要です。
そこで、ソフトウェアが重視されることとなり、ソフトを専門に開発するソフトウェアハウスが誕生しました。
(厳密には先ほどの「System/360」もソフトの始まりですが、語弊があるのを承知の上で分けてます。その方が分かりやすいですしね。。)
ソフトを生み出すようになってから一気にソフトウェア業界が盛り上がりました。
これが1980年代頃です。
ソフトの時代と同時期くらいにSIerも誕生しました。
コンピュータを導入した大企業はもちろんITに詳しい技術者もたくさんいます。
そういった技術者の技術を生かすために情報部門を切り離す動き(分社化)が始まり、それが現在のSIerにつながっているわけです。
また、1990年代くらいから情報技術も高度化し、自社のシステムをより技術力のある他社に任せる動きが急速に広まりました。
これで現在のような業界が確立され行ったのです。
ハードができて、ソフトもできて、IT業界がある程度形になった先にある未来は技術の発展です。
インターネットが広がり、クラウドが主流になり、AIまでできてしまった…
という話はまた次回にしましょう。
最初期を見ると100年くらい前からできている業界ですが、多くの人がイメージするソフトウェアなどのIT業界は約30~40年くらいの比較的歴史の浅い業界ですね。
業界の市場規模
そんなソフトウェア業界ですが、業界の市場規模はどれくらいなのでしょうか。
数字と現状の分析、今後の展望について見てみましょう。
ずばり、ソフトウェア業界の市場規模は2022年時点で約11.5兆円でした。
この数字は経済産業省が出している「特定サービス産業動態統計調査」を参考にしています。
2022年のソフトウェア受託開発(SIer)、ソフトウェアプロダクツ(ソフトベンダ)を合わせると11兆4,963億円の市場規模があるそうです。
桁が違いすぎていまいちイメージしにくいですが、順調に伸び続けていて、大きな市場であることは間違いありません。
ソフトウェア業界の現状は、まさに現在進行形で進化中といえます。
(業界に身を置いているので恐縮ですが、だからこそこの業界に入りました)
テクノロジーの進歩により、人々はますます多くのデジタルツールやサービスを必要としており、それに応じて、企業もさまざまなソフトウェアを開発しています。
特に、AIやIoTなどの技術の進化により、より高度なソフトウェアが求められており、需要は今後も拡大する見込みです。
しかし、SIerに限って言えば多重下請け構造や慢性的な長時間労働が問題となっています。
実際私もそれはひしひしと感じているので業界全体の未来は明るいですが、ピンポイントに見てみると闇は存在しているため、入る会社は見極める必要があります。
ソフトウェア業界は、今後も高い成長を続けることが見込まれています。その理由をいくつか挙げてみます。
- AIやIoTの普及により、より高度なソフトウェアが求められる
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速により、多くの企業がソフトウェア開発に力を入れる
- クラウドサービスの普及により、サブスクリプションなどソフトウェアの提供形態が変わることで、より多くの需要が生まれる
- 新しい技術の登場により、市場自体が拡大する
このような理由からより業界の成長、市場の拡大が見込まれます。
そして、技術は今も進歩しているのでより高度な技術が求めら、人材の需要も高まっていくことでしょう。
業界プチカオスマップ
大きな市場を持つIT業界ですが、具体的な企業もいくつかカオスマップ形式で紹介します。
こんな感じの企業があるよ、という参考程度にしてください。
IT業界まとめ
ここまでIT業界についての特徴や具体的な企業を紹介してきました。
ここでは最後に年収やIT業界がおすすめの人を紹介してこの記事の締めとします。
IT業界の年収
IT業界の年収はどれくらいなのでしょうか。
業界動向サーチでは以下のような数字が出ています。
どちらも会社員の平均給与よりも高くなっています。
情報社会である現代において、IT業界は最も需要のある業界の一つですので、その分年収も高くなる傾向があります。
新卒の給与に関しては他の業界と横並びからスタートですが、専門的なスキルを身につけることで市場価値の高い人材になりやすいということでしょう。
まず、一番おすすめできる人はITに興味があり、なにかを常に学び続けられる人です。
最近はAIが絵を書いたり、chatGPTがプログラムを書いてくれたりと技術の進歩が一層早くなっています。
そういう業界ですので、常に最新の技術を追い続けないとたちまち置いて行かれるので、ITに興味があり、学び続けられる人にはぴったりです。
また、何かのスキルを身に着けたい人にもおすすめです。
AIがコードを書くことでプログラマがいらなくなるというようなことを最近よく聞きます。
業界のど真ん中である筆者には耳が痛い話なのですが、実際はそんなことはないと考えています。
結局はそのAI自体を作ったりシステムの考え方に基づいて動かしたりする必要はあるので、エンジニアのスキルはそう簡単には消えないでしょう。
一生ものとは言いませんが、向こう数十年はなくならないはずですので、そういった手に職をつけたい人にはおすすめです。
(とはいっても筆者はその当事者ですからいいように言っている側面はあります笑)
とりあえずITが嫌いな人でなければやっていけるので少しでも興味があれば見てみてください!
新卒で文系SEとして入社した筆者ですが、今のところ満足しています。